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開発会社と連絡が取れなくなったら——放置されたシステムの保守を引き継ぐ手順

はじめに

「システムを作ってもらった会社と、連絡が取れなくなった」。私たちが保守のご相談を受けるとき、意外なほど多いのがこのパターンです。会社が廃業していた、担当者が辞めて誰も中身を知らない、返信が数週間来ない——理由はさまざまですが、共通するのは、システムは今日も動いているのに、面倒を見る人が誰もいないという状態です。

見た目は正常に動いているので、つい後回しにしがちです。しかしこの状態は、静かにリスクが積み上がっていきます。この記事では、何が危ないのか、そして引き継ぎをどう進めればよいのかを整理します。

放置されたシステムの何が危ないのか

  • 止まったときに、誰も直せない。 障害はある日突然起きます。そのとき初めて「ソースコードはどこ?」「サーバーの契約は誰の名義?」と調べ始めると、復旧まで数日〜数週間かかることがあります。
  • セキュリティの更新が止まっている。 システムの土台となるソフトウェアには、日々セキュリティ上の修正が公開されています。保守が止まっているシステムは、この更新も止まっていることがほとんどです。
  • 契約やアカウントが宙に浮いている。 サーバーやドメインの契約が開発会社の名義のままだと、更新が切れた瞬間にサイトごと消える、という事故も実際に起きています。

引き継ぎの前に、手元で確認したい4つのもの

新しい保守先を探す前に、以下が自社の手元にあるか確認してください。なくても引き継ぎは可能ですが、あるかないかで難易度が大きく変わります。

  1. ソースコード(システムの設計図にあたるもの。納品物に含まれているか)
  2. サーバー・ドメインの契約情報(どの会社のサービスを、誰の名義で契約しているか)
  3. 管理画面などのログイン情報
  4. 設計書・仕様書などのドキュメント(なければないで構いません。実際、ないケースの方が多いです)

引き継ぎの現実的な進め方

私たちが引き継ぎのご相談を受けたとき、必ず「現状調査」から始めます。中身を見ないまま「保守できます」と約束する会社があれば、むしろ注意が必要です。

  1. 現状調査 — ソースコードやサーバーの状態を確認し、「何がどう動いているか」「どこにリスクがあるか」を報告書にまとめます。
  2. 引き継ぎ計画 — 調査結果をもとに、契約の名義変更、アカウントの整理、緊急度の高い修正の有無を整理します。
  3. 保守の開始 — 体制が整ってから、通常の保守(問い合わせ対応・改修・定期的な点検)に移行します。

調査に少し時間をかける理由はシンプルで、中身が分からないまま引き継ぐと、直せない約束をしてしまうからです。逆に、調査報告書さえあれば、仮に私たち以外の会社に依頼することになっても、その資料はそのまま使えます。

おわりに

「作った会社と連絡が取れない」は、恥ずかしいことでも珍しいことでもありません。構造的に起きやすいことです。大切なのは、動いているうちに面倒を見る人を決めておくこと。心当たりのある方は、障害が起きる前の、何もない平和なうちにご相談ください。